浜田省吾

20年前に書いた省吾さんのLIVEの思い出(後編)

2022年8月26日

 

ON THE ROAD '88も九州厚生年金会館へ参加した(3/23)

ステージ上に銀幕がかぶせられていて、オープニングで幕が取れるとともに「MONEY」のイントロのギターがかき鳴らされた。

また「WHAT'S THE MATTR, BABY?」でステージに本格的なバーカウンターが作られたのには驚いた。

(これが'96ツアーの「君のいるところがMy Sweet Home」の家を建てる演出につながって行くのだろうか?笑)

 

そしてこの年の8月20日、渚園でのA PLACE IN THE SUNに九州から駆けつけた。

会場に入りあたりを見渡せば人、人、人・・・

5万人以上が参加。見たこともない観客の数に驚いた。

 

1曲目は海の中道と同じように「壁にむかって」かな?と思っていたら「路地裏の少年」だった。

嬉しい意味で裏切られた。

イントロが流れた瞬間に鳥肌が立ち、今日のコンサートは素晴らしいものになると感じた。

未だに自分の中ではこの時の「路地裏の少年」が一番だと思っている。

 

ヘリコプター音から始まった「A NEW STYLE WAR」

そしてステージセットが割れて原子力発電所をイメージしたような巨大なモニュメントが現れ「僕と彼女と週末に」「愛の世代の前に」が歌われた。

「ラスト・ダンス」で全てが終わり帰りのバスに向かった。本当に満足したコンサートだった。

ただ残念なことに、帰り道で「なんで静かな曲で終わるのかな、最後はもっと盛り上がる曲を演るべきよね」という声が聞こえて来たのはちょっと寂しかった。

 

これまで省吾さんのコンサートは基本的に1つのツアーで1回しか参加していなかったが、次のON THE ROAD '90から複数回行くようになった。それだけ省吾さんのコンサートはクオリティが高いものになっていたと思う。

正直、何度参加しても素晴らしい。

 

1990年は11月20日に福岡サンパレス、11月25、26日は九州厚生年金会館へ参加した。

幸運なことに25日は最前列に座れたので「BASEBALL KID'S ROCK」の時に省吾さんとハイタッチすることができた。素直に嬉しかった。

 

アンコールツアーといえるON THE ROAD '91は、省吾さんは緑のメジャーリーグのジャンパーを着て1曲目の「愛の世代の前に」から飛ばしまくっていた(6/18福岡国際センター)

ただ個人的な意見で申し訳ないが、メッセージ色の強い「愛の世代の前に」はあまりオープニングには合わないような気がする(1曲目よりコンサートの佳境となる終盤で聴きたい)

 

「その永遠の一秒に」がリリースされたあとのON THE ROAD '93は、熊本市民会館に参加した(11/15)

本編ではニューアルバムからは1曲も演奏されず、アンコールで「境界線上のアリア」「傷だらけの欲望」「最後のキス」が歌われた。

 

実はこれまた幸運なことに、省吾さんは「ラストショー」を歌いながら最前列にいた私に向かって手を差し伸べてきた。

エッ?エッ? 自分の中で軽いパニックになった・・・

多分、男性の観客に対してコンサートに来てくれてありがとうという意味での握手だったのだと思う。

(最前列にいた男性は私だけだったし、次のコンサートでも男性と握手していた)

恐る恐る握手した省吾さんの手は熱く、そして思ったよりも柔らかかった。

 

この興奮を胸に翌日も熊本市民会館に勇んで出かけたら、省吾さんの体調不良により2日目は中止になっていた。

会場のガラスに貼られていたお知らせの貼紙が悲しかった。

 

振替公演はこのツアーの最終日として、翌94年の3月14日に行われた。

省吾さんは前日に長崎での泉谷しげるさん提唱の普賢岳救済コンサートにスーパーバンドの一員として参加していた。

「泉谷さんから打ち上げにしつこく誘われたんだけど(笑)、この熊本をまた飛ばすわけにはいかないから」

そう言っていつも以上に熱いステージを観せてくれた。

 

2度目のアンコール「最後のキス」が終わった後、再び省吾さんは一人でステージに出てきた。

「売れない頃、町支と二人でギターを抱えてコンサートの移動をしていた。この曲は熊本から夜行列車で鹿児島に向かう時に書いた曲なんだ。コンサートを延期してごめんね」

そう言ったあと「MIDNIGHT BLUE TRAIN」がギター1本で演奏された。

涙が滲んだ。

この時以上の「MIDNIGHT BLUE TRAIN」には未だ出会っていない気がする。

 

ON THE ROAD '94は5/7福岡国際センターに参加した。

ステージで初めて「裸の王達」を聴いた。

スクリーンの映像とマッチして凄い迫力を感じた。

 

ON THE ROAD '96「TENDER IS THE NIGHT」は、九州から東京の代々木体育館まで出かけた(11/26)

実はこの年の8月に東京ビッグサイトに甲斐バンドの復活コンサートを観に行く予定だったが、父親が病に倒れて断念した(その後回復)

このかたき討ちという訳ではないのだが、まだ九州での公演も発表されていないこともあって、省吾さんの代々木にどうしても行きたかった。

 

コンサートの終盤で「詩人の鐘」がギター1本で始まったのには感動した。

またアンコールでのアコースティックな「A Place In The Sun」は、とても心地よかった。

この翌年はマリンメッセ福岡へも参加した(1/18、19)

 

1998年に私は仕事の関係で九州から東京へ住まいを移した。

ON THE ROAD 2001は、よこすか芸術劇場(1999/4/1)、大宮ソニックシティ(6/27)、東京国際フォーラム(2000/8/1、2)に参加できた。

 

また一日延期された国立昭和記念公園での「LETS SUMMER ROCK '99」へもビールを持って駆けつけた(1999/8/15)

省吾さんの「酔っぱらってる?」というステージからの言葉に素直に反応した(笑)

しかしJR立川駅から会場までメチャクチャ遠かった・・・

 

THE SHOGO MUST GO ONへも、何とか予定や仕事をやり繰りして幕張メッセ、さいたまスーパーアリーナ、横浜アリーナ、代々木体育館と関東近郊は全て参加することができた。

幕張の2日目は、アンコールのセンターステージの真横の席だった。

そのうえ通路側だったので、メインステージに戻る省吾さんの肩に触れることができた(決して叩いたりしていない)

 

また幸運にも、20年ぶりの日本武道館公演のチケットも手にすることができた。

2日目の最後、省吾さんが「ラスト・ダンス」を歌い終えたあとに、客席に向かってカメラで撮影するような仕草を見せ、自分の胸をトントンと叩いたのは印象的だった。

まるで「今日の君たちの笑顔を胸の中に刻んだからね」と言ってくれているみたいだった。

 

省吾さんはしばらく充電に入るということだが、きっと素敵なニューアルバムを引っさげ、もっともっと素晴らしいステージを私たちに披露してくれることを信じている。

2002年 春

 

-浜田省吾