福岡公演の初日、幸運にも当日券を手にすることができました。
今回はホールツアーのためチケットの確保が難しく、未だにチケットを獲れていない方が多くいらっしゃるのは理解しており申し訳ない気持ちもあるのですが、コンサートの記録をこのブログで残すことで勘弁いただきたいと思っています。
ステージの流れなどは前に投稿した<熊本公演>の通りですので詳細はカットしますが、今回改めて3階席から眺めるような感じで観たライブの感想を、断片的になりますが羅列させていただきます。
※以下、ネタバレになりますのでご覧になられる方はご注意ください。
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11/5(土)、パソコンの前で腕時計を秒単位で凝視しながら当日券の発売時間を待つ。
時計の針が12時ジャストになった瞬間にツアーサイトの当日券販売のボタンを押すが、ほんの数秒で【完売】の表示。
やはりと思いながらも、何度が画面を更新したところ再販売された当日券を奇跡的に確保。
マウスを持つ手が震えながら決済が完了。
急いで着替えて、初恋ペンダントを首につけ、福岡サンパレスを目指した。
熊本では会場の構造上ツアートラックを見ることができなかったが、福岡サンパレスは会場の裏に停めてあり、たくさんのファンの皆さんがスマホなどで撮影を行っていた。
17時を過ぎた頃、入場の長蛇の列に並ぶ。
今回は当日券なので基本3階席とわかっているので、ドキドキ感や緊張はあまりなく、周りの人たちの表情や着ているツアーTシャツなどを眺めながら入場を待つ。
今回のツアーグッズのTシャツが一番多かったが、1月の武道館公演のものを着ている人もいた。また仲間内で作ったと思えるTシャツ姿のファンも多々いた。
入口でスマホのQRコードを読み取り機にかざし、座席指定券を受け取る。
やはり座席は3階18列という最後尾。
しかし貴重な省吾さんのライブチケット。
あの空間に参加できるだけで感謝したい。
18時を3分ほど過ぎた時に、省吾さんの歌う「In My Life」の音源が流れる。
その後、バンドメンバーや省吾さんがステージに現れ、町支さんの生ギターによるイントロ、「光と影の季節」でコンサートが始まった。
コンサート会場全体が見渡せる3階席で特に感じたのは、ライティング、照明の綺麗さだった。
曲によって効果的な色使いや、光の動きが行われていた。
最初のMCで「慈しむ(いつくしむ)ようにコンサートを楽しんで」という省吾さんの言葉にグッとくる。
熊本2日目では「恋は魔法さ」が歌われたが、今回は「今夜こそ」が演奏された。
この曲は観客とのかけ合い的なコーラスが醍醐味だと思うのだが、それができないせいなのかアレンジが変えられていた。
2016年のアリーナツアーで演奏された時に比べると、テンポが遅めで少し落ち着いた曲になっている感じを受けた。
「我が心のマリア」で戦争前のウクライナの美しい風景、「光の糸」では東北地方の震災前の港や海の映像がスクリーンに映し出される。
戦争という愚かな行為、自然災害の残酷さを改めて思い知らされる。
「光の糸」の間奏で省吾さんがステップを踏みながら回るシーンが好きなのだが、今回はそれがなくてアレッというか、少し残念だった。
今回のツアーの最大の見せ場は、個人的には「モノクロームの虹」だと思っている。
よくぞ前半のラストに持ってきてくれたと感謝する。
ON THE ROAD 2001のタイトルナンバーともいえるこの曲は、ON THE ROAD 40年の中でもマイルストーン的なもので、多くのファンからも愛されている(と思う)
実際、この曲が始まると会場のボルテージが一気に上がった気がする。
後半が「青空のゆくえ」で始まる。
そのあとのMCは海の中道海浜公園についてだった。
省吾さんは昨日実際に海の中道まで足を運んだそうだ。
海の中道は、もともとは日本軍の施設だったが、米軍基地となり、その後返還されて81年に国営公園としてオープンしたと説明される。
そして83年の夏、ここで初めて省吾さんが野外コンサートを開催した。
当時は何もないところで、飛行機からこの公園を見下ろした時に見えたのは、コンサートのステージのやぐらだけだったらしい。
昨日行った時には周りに水族館やマンションなどができていて、時代の流れを感じたと。
83年の野外に来た人はいる?と問いかけると、多くの人達が反応していた。
(もちろん私も行ったよという拍手をさせていただいた)
「海の中道に20歳で参加したとしても、もういい歳になるよね。孫がいて、子供たちから預かったりしているんじゃないかな」
そう言うと「星の指輪」が始まった。
終盤で「ON THE ROAD」「 I am a father」「J.BOY」と続くのは反則だと思う(笑)
これで盛り上がらないほうがおかしい。
怒涛のように演奏される人気のライブナンバーは、きっと省吾さんたちからコロナ禍の中でステージを待っていてくれたファンへの贈り物だと思う。
本編最後の「家路」を歌う前、省吾さんが「今回のコンサートツアーのタイトルにEVEという文字を入れました。こういうご時世だけど、来年、再来年も皆んなとこうやって音楽を楽しめる時が来ることを楽しみにしています」と語りかける。
この言葉に大きな拍手をしながら、涙がこぼれる。
「家路」を歌っている時に、バックにはアメリカかメキシコの広大な道を車で走る映像が流れる。
最初はモノクロだったのが後半でカラーに変わっていく。
空の青さが鮮やかで、いつまでも悪いことばかりじゃない、これからきっと明るい未来が待っていると思わせてくれる気がした。
アンコールの「みちくさ」をマスクの中で一緒に口ずさむ。
熊本公演では「みちくさ」を演るのかという驚きの方が強かったが、今回はリズムに揺られながら歌詞をじっくりと噛みしめる。
「たまには足を休めて 深く息を吸おう」
良いフレーズだなと思う。
アンコール2曲目で「この新しい朝に」が演奏される。
「大丈夫って」のところで、省吾さんが客席に向かって親指をたてる仕草に泣きそうになる。
そして「もう一曲やるかい?」と省吾さんが観客をあおると「終わりなき疾走」が演奏される。
熊本では「ここでやるの?」と少し戸惑ったが、その理由を自分なりに考えてみた。
ファンの皆さんはご存じのとおり「Home Bound」は省吾さんがロックとライブで生きて行くことを確立したアルバムであり、その1曲目の「終わりなき疾走」は第2のデビュー曲と言われている。
ただしこれまで演奏されてきたポジションは、オープニングや前半・中盤などの盛り上げどころ。
またアンコールの途中などの起爆剤的な役目だった。
オーラスではないとはいえ、今回のツアーではアンコールの最後。
一旦ステージを締める役目であり、これまでだったら「終わりなき疾走」と「この新しい朝に」は順番が逆じゃなかったかなと思う。
しかし、ALL FOR RUNとタイトルに名付けられた2019年のFFFを経て、今年1月の武道館では「初恋」と組み合わせるなど、省吾さん自身が第2のデビュー曲、また40年を迎えたON THE ROADのスタートとなった曲ということを意識したのではないだろうか。
「路地裏の少年」と同じように大切な曲だと。
そう考えるとあの順番、あのポジションで演奏されたのがスッと腑に落ちたような気がする。
(先ほども言ったようにあくまでも私の勝手な私見で申し訳ないが)
そして最後は、省吾さんから観客へのメッセージである「日はまた昇る」
バックに映し出された海辺のイラストが、青い海になったり夕暮れになったりと歌詞に合わせて変化する。
省吾さんの歌を際立たせてくれる。胸に沁みる。
今回の福岡公演で、ON THE ROAD 2022はほぼ折り返しとなる。
最後まで完走して、来年の秋あたりからアリーナツアーという大きなプレゼントをもらえることを切に願い(願わくば40年目の海の中道も)、福岡サンパレスをあとにした。
ON THE ROAD 2022 Welcome Back to The Rock Show “EVE”
11月5日(土) 福岡サンパレス ホテル&ホール
1. 光と影の季節
2. HELLO ROCK & ROLL CITY
3. この夜に乾杯!
4. 今夜こそ
5. 君がいるところがMy sweet home
6. 君の名を呼ぶ
7. あれから二人
8. 我が心のマリア(インスト)
9. 光の糸
10. 旅するソングライター
11. モノクロームの虹
12. 青空のゆくえ
13. 星の指輪
14. 君に捧げる love song
15. ON THE ROAD
16. I am a father
17. J.BOY
18. 家路
(アンコール)
19. みちくさ
20. この新しい朝に
21. 終りなき疾走
22. 日はまた昇る