コロナ禍で2020年に予定されていたファンクラブツアー(1980年代part-2)が中止。
2021年に予定されていたアリーナツアーも中止。
代替案として会場を絞ってファンクラブツアーが計画されたがチケットの当選発表直前に中止が決定。
今年1月に40年ぶりの日本武道館公演が開催されましたが、今回のコンサートが実質3年ぶりのツアー再開となります。
しかし省吾さんやメンバーがいつコロナに感染するかわかりませんし、世の中の状況がどう変化するかわかりません。
何とか1箇所も欠けることなく、無事にすべてのスケジュールを完走して欲しい。そう願うのみです。
今回、私は10/2の熊本公演をファンクラブの先行受付で当選させていただきました。
全28公演のうちの7公演目(5箇所目)
わりと早いスケジュールでの参加になりますので、ネット等でのセットリスト(ネタバレ)は封印し、真っ新な気持ちで望むことにしました。
そして演奏曲の予想を自分なりに立てました。
ファンクラブ会報に書いてあるように、省吾さんが今歌いたいという曲、初めてステージで演奏される曲、久しぶりの曲。
ここ数年のステージ演奏曲や、各種リリース状況、YouTubeでの発表なども参考にし、この曲を演って欲しいという自分自身の願望も含め、あれこれ考えました。
それはそれで楽しいですね(笑)
そしていよいよ当日。
以下、コンサートレポートになります。
完全なネタバレですので、ご覧になる時にはご注意をお願いします。
また自分の主観をもとに書いていますので、ご理解をお願いします。
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10月2日(日)
福岡から高速で車を走らせ熊本に到着すると、会場近くのコインパーキングに車を停めて熊本城ホールに向かう。
熊本城ホールがあるのはサクラマチクマモト(SAKURA MACHI Kumamoto)という大型複合施設で、中にはホールだけでなくバスターミナルやシネマ、ホテルなどもある。
この場所に来ると「泉の広場で逢いましょうと~♪」と口ずさんでしまうのは熊本出身者の性(サガ)(笑)
【参考】この場所は昔は熊本交通センターというバスターミナルで、ホテルやボーリング場、そしてセンタープラザという地下街があり、雑貨や衣料店、飲食店などが並んでいた。そのCM曲が「センタープラザの歌」で、テレビでよく流れていたため熊本県民のDNAに刷り込まれている。ちまみに今のサクラマチクマモトがオープンしたのは2019年のこと。
サクラマチクマモトは、屋上からマスクをしたくまモンが出迎えてくれる。
せっかくだからと上まで登り、大きなくまモンと熊本城を記念に撮影。
そして開場時間の16:30を迎えると、胸の高まりを抑えながら熊本城ホールの入口に向かう。
入場の列はホール前からずっと外まで並んでいる。驚きの長さだ。
誰もがこの日を待っていた、もう待ちきれないという雰囲気を感じる。
列は思ったよりも早めに流れて行き、いよいよ緊張の入場手続き。
ファンクラブのIC会員証を読み取り機にかざし、係員に身分証明書を見せ、座席指定券を受け取る。
座席は1階の9列目のほぼ真ん中。
この当日の座席指定システムが導入されてからというもの、私は良い席にあたったことはほとんどないため喜びというより驚きの方が大きかった。
だだ席は運。もちろん後方や2階席でガッカリされた方もいるはず。
席うんぬんよりも無事にコンサートの当日を迎えることができたこと、そして自分がこの場所にいることに感謝をしたい。
17時27分、客電が消えると省吾さんが歌うビートルズの「In My Life」が流れる。
今年1月の武道館公演と同じ音源だと思う。
17時半の開演時間ピッタリに曲が終わると、バンドメンバー、省吾さんがステージに登場。
武道館公演では厳かな雰囲気を感じたが、今回はいよいよこの時が来た、ツアーの再開だなと思うと嬉しくて目頭が熱くなる。
1曲目は「光と影の季節」
ギターのイントロにそう来たかと心の中でつぶやく。
私のオープニングの予想は「光の糸」だった。
「未来へ連なる光の糸を紡いでいこう」でなく「君に逢いたくて戻って来たよ」だったか。
一本取られたと思いながらも逆に嬉しい。マスクの中で歌詞を口ずさむ。
バックのスクリーンには砂漠の中で省吾さんが船を漕いでいるあのジャケット写真。
「Woh Oooh Oooh」で両手を上げながら、いよいよ貴重なライブの時間が始まった。1曲1曲を大切に自分の中に刻んでいこうと改めて思う。
続いて「HELLO ROCK & ROLL CITY」
イントロだけで涙がこぼれる。
省吾さんのライブと共に生きてきた曲だ。
この曲を聴くと省吾さんのライブ、この場所に自分が戻ってきたことを感じる。
「この夜に乾杯!」が終わると「コンサートへようこそ」と省吾さんのMC。
「声を出せないからといって最初から最後まで手拍子を叩くと手が壊れるので、武道館のDVDで言ったとおりエア手拍子で結構です。でも俺たちの歌や演奏が君たちの心に届いたら、拍手をもらえれば嬉しいです」
「皆んなは大声を出せないなどの規制があるけど、俺たちはいつも通り叫びますし、オーイエ―もやります。でもマスクの中で歌ったりする程度なら大丈夫みたいです。周りに迷惑をかけないように気をつけて、慈しむ(いつくしむ)ようにコンサートを楽しんで」
そう喋ると久しぶりの「恋は魔法さ」
この曲もイントロを聴くだけで身体が弾けてしまう。
最後のサビのところは頭の上で手拍子。
残念ながら「熊本ガール」への歌詞変更はなかった(笑)
観客に「まあ座って」と声をかけると「今日はどこから来たの?熊本の人は?県外の人は?」と問いかける。
どちらかというと県外からの人たちの拍手が多かったかな。
ちなみに私は熊本に住民票があるが、今は福岡で仕事をしているので「どっちだ?」と考えているうち、どちらにも拍手をすることができなかった(苦笑)
あと省吾さんは熊本には新幹線が開通しているから来やすいよねと言ったあと、新しくできた西九州新幹線は「変な所」から出発しているよねと言ってしまい「失言、失言。今のは取り消し!」と慌てていた(笑)
熊本で初めてライブをしたのは愛奴の時。
八代のイベントで土俵の上のステージで演奏していたら盛り上がって、観客が土俵に上がってきたということだった。
また、80年代のコンサートは全国各地でまだ満員にならなかったが、熊本市民会館だけは満員になった思い出深い場所だということを喋った後、2016年のコンサートでの「Midnight Blue Train」を歌う前の芝居は熊本駅での出来事がベースだと言って、竹内さん、中嶋さんに再び「町支さーん!」をやってもらう。
「君の名を呼ぶ」「あれから二人」のバラードが続く。
省吾さんの声が何よりも好きだというファンの声をよく聞く。
私の同じだ。ステージ上の省吾さんを見つめ、じっくりと歌声を聴く。
バンドメンバーの演奏だけによる「我が心のマリア」
スクリーンには綺麗なウクライナの映像。今のロシア侵攻が本当に痛々しく感じる。
省吾さんはステージから引っ込むことなく、ドラムの前で汗をぬぐいながらスタンバイ。
女性ボーカルに歌ってもらっても良いのではと思ったが、省吾さんたちがで色々と考えてインストゥルメンタルで行こうと決めたことだろう。野暮なことは言うまい。
「東日本大震災の前に撮影された映像をバックに歌います」
そう言って始まったのが「光の糸」
これまで「光の糸」はロック色の濃い、明日へ向かって行く曲というイメージを持っていたが、東北の町並みや人々の姿の映像と相まって印象がガラリと変わった。
この歌の持つ強いメッセージ性を再認識する。
しかし省吾さんがこの曲間で踏むステップは何度見てもカッコいい。
お馴染みの海外の旅の映像とともに「旅するソングライター」に続く。
そして、ハーモニカホルダーを付け、エレキギターを抱えた省吾さんが「今回のツアーでは自分自身が歌いたい曲を選びました。SAVE OUR SHIPからの曲です」と言って始まったのは「モノクロームの虹」
ON THE ROAD 2001、1999年の立川の野外の時代、一気に20年前の自分に連れ戻されてしまう。
大好きな曲だが今回のツアーではないかなと半ば諦めていただけに涙が溢れる。
サビの「こんな夜には」で叫ぶな、大声を出しちゃいけないというのはホント拷問(苦笑)
やはり事前にセットリストを知らない方が興奮度が高い。
「モノクロームの虹」が終わるとインターバルの休憩が長めに取られた。
スクリーンにはON THE ROADが40年を迎えたということで、それぞれのツアーの時の写真が映し出される。
省吾さんが小さな飛行機に乗る時に背負っているリュックが、ヴィトンやグッチなどでなく「adidas」というところが庶民的でいい(笑)
映像に合わせて、その時代の曲がインストで流れる。
「この曲がここで流れるということは、今日はこの曲の演奏はないな」と邪な(よこしまな)ことを思ってしまう。
後半は省吾さんが椅子に腰かけて「青空のゆくえ」
「青空のゆくえ」は2015年のツアーの最後に演奏されているので今回はないかなと考えていた。
省吾さん自身が本当に好きな曲なんだなと改めて思う。
「メキシコへ行ってカジキ釣りをした時にイルカが何千頭と現れて、40数年間海に出ているという船長が人生で2度目の出来事だと言っていた。ということは自分たちは最初で最後の景色になるだろう」
人生は一度きりしか経験ができないというような話をして、演奏されたのは「君と歩いた道」
2005年のツアーの、中学生の男の子が彼女に手編みのマフラーをもらい、大きくなり結婚して子供ができ、段々とお互いに老いて行き、歳を重ねた後もマフラーを首に巻いてくれた奥さんが亡くなり、旦那一人になるという映像を思い浮かべる。
「もうすぐ清岡太郎君の誕生日で、カレンダーにいろんな人達の誕生日を書き込むんだけど、最近は命日を書く数が多くなってしまい、半々ぐらいになっている」
「日々を大切にして、会いたい人、大切な人にはしっかりと思いを伝えるように」と語ると「君に捧げる love song」
私はこの曲は初めてステージで聴くんじゃないかな。
会報で町支さんが「ステージで演ったことあった?」と言ったのはこの曲だったのかと思う。
そして「ON THE ROADという旅をして40年になりました」と言うと、お馴染みのピアノのイントロ。
私は今回「ON THE ROAD」の演奏はないと考えていた。
2019年のファンクラブコンサートを始め、最近のツアーでは毎回演奏をしているので今回はお休みかなと。
しかし改めて考えると、今年1月の武道館では40年前のセットリストと決まっていたためこの曲は歌われなかったし、そして何よりも40年目を迎えたON THE ROADツアーのタイトル曲だ。
自分の想像がまだまだだなということを思い知らされる。
「もう一度孤独に火をつけて」で人差し指を上げるとエンジン全開。
コンサートはいよいよ佳境に突入する。
「I am a father」「J.BOY」
2016年のツアー以来、6年ぶりに生で耳にする。
今の状況下ではまだ叫んではいけない、大声で歌ってはいけない、拳を上げながら自分にそう言い聞かせ、最小ながら最大限の声をマスクの中で出す。
「今回のツアータイトルにEVEという文字を入れました。来年、再来年、また皆んなに会えるのを楽しみにしています」
省吾さんの言葉に号泣。
そして本編最後は「家路」
2019年のファンクラブツアーでは弾き語りにて歌われたが、私自身はこの曲はバンド演奏の方が好きだな。
スクリーンには果てしなく続く道の映像が流される。アメリカ、メキシコあたりの風景だと思う。
エンディングの町支さんと長田さんのギター演奏にしびれる。
アンコールは、まったく予想ができなかった・・・
Fairlifeの「みちくさ」
いずれファンクラブツアーあたりで演奏されるかなと思っていただけにノーマークだった。
事前に広島の友達が「みちくさ、演るかな?」と言っていたのを、「いや、ない。ないだろ」と答えてしまった自分を恥じる。
(もちろん友人もセットリストは知らない)
バックのスクリーンには四季の風景の中を歩く省吾さんのアニメ。
曲調もほのぼのとしているので心地良い。
そして「この新しい朝に」
コロナの緊急事態宣言の中、誰もいない渋谷や新宿の街並みの風景、坂道や道路の映像が流れる。
いかに異常な風景だったか、そして段々と緩和され、こうやってコンサートに参加できている喜びを感じる。
「もう一曲やるかい?ROCK & ROLL!」と告げると「終わりなき疾走」
え?ここで演るの?と戸惑うが、曲が始まると関係ない。
最後の「Hey Hey Hey Hey!」ではお決まりの拳上げ。
何だかこれまでのON THE ROADツアーと違う展開に驚きながらも顔がほころぶ。
2度目のアンコールは「日はまた昇る」
「誰もが皆 自分の人生と闘っている」
省吾さんからのメッセージ、その歌詞をしっかりと自分の胸に刻み込む。
20:10にすべてが終了。途中の休憩を含めて2時間40分のステージ。
本当に慈しむような貴重な時間だった。
省吾さんのステージに再び会えた喜びに改めて感謝する。
「来年、再来年、また皆んなに会えるのを楽しみにしています」
2023年の秋あたりから2024年にかけてアリーナツアーが始まるのかな?
そう想像しながら福岡への帰路についた。
ON THE ROAD 2022 Welcome Back to The Rock Show “EVE”
10月2日(日) 熊本城ホール メインホール
1. 光と影の季節
2. HELLO ROCK & ROLL CITY
3. この夜に乾杯!
4. 恋は魔法さ
5. 君がいるところがMy sweet home
6. 君の名を呼ぶ
7. あれから二人
8. 我が心のマリア(インスト)
9. 光の糸
10. 旅するソングライター
11. モノクロームの虹
12. 青空のゆくえ
13. 君と歩いた道
14. 君に捧げる love song
15. ON THE ROAD
16. I am a father
17. J.BOY
18. 家路
(アンコール)
19. みちくさ
20. この新しい朝に
21. 終りなき疾走
22. 日はまた昇る
【最後に一言】
私自身がコンサートの参加前に予想したセットリストです。
でも実際に歌われた曲や、ステージ構成、順序を見ると、自分の浜田省吾度はまだまだと感じました。
これからも精進して行きます(笑)