浜田省吾

浜田省吾 ON THE ROAD 2016 "Journey of a Songwriter" since 1976

2022年9月1日

 

2015年1月23日、この日は浜田省吾さんのON THE ROAD 2015"Journey of a Songwriter"、ホールツアーの最終日だった。

会場は鹿児島市民文化ホール第一。

福岡から新幹線で鹿児島に向かいツアーラストに参加した。

 

ツアートラックにファンがメッセージを書き込んで良いという出来事はあったが、最終日だからといって特にサプライズな演奏などはなかった。

まあ、この後のアリーナツアーも発表されたしね。

 

しかしこの日は夕刻から雪が降り始めて、南国・鹿児島にもかなり積もるだろうという予報だった。

省吾さんやバンドメンバーはコンサート後に打ち上げもしないで、弁当を持ったまま車で宮崎に移動して帰京したということ。

翌朝、本当に鹿児島の街は銀世界。

飛行機の欠航はおろか、高速道路も通行止め。

新幹線だけは何とか動いている状態だったので、私は無事に福岡へ帰ることができた。

 

実はコンサート後、鹿児島中央駅前のホテルに一旦戻り遅い夕飯に出かけようとしたら、キーボードの福田さんとホテルのエレベーターでばったり。

もちろん面識はないが「お疲れさまでした」と声をかけ「アリーナツアー楽しみにしています」と言うと、「ありがとう、期待していて!」ということ。

噂通り気さくな方だった(この後すぐに宮崎に移動されたみたいだ)

 

さて、そのON THE ROAD 2016のアリーナツアーだが、初日の長野に参加して、その後も各地で何度かステージを観せていただいた。

 

そしていよいよ明日11月5日から、地元のマリンメッセ福岡公演。

前夜祭みたいな雰囲気で博多の街の餃子専門店で仲間と飲んでいると、突然スマホに「省吾さんの体調不良(急性声帯炎・急性咽頭喉頭炎)により中止」との連絡。

・・・仕方ない、省吾さんといえ生身の人間だ、こういうこともある。

自分にそう言い聞かせると、前夜祭が残念会に変わってしまった(泣)

 

中止になった福岡公演は、翌年(2017年) の4月26日、27日に延期された。

土日じゃなく平日での開催となってしまったため参加できなくなったファンもいて、不満の声が聞かれたのも事実だった。

(確かロースカ事務所はマリンメッセ福岡の土日は3年前じゃないと取れないとか言っていたな)

 

初日の26日はチケットを持っていなかったが、前夜にチケットが獲れてステージサイド席で参加することができた。

本当にステージ真横の2階スタンドの一番後ろ。今にも天井に手が届くというような席だった(笑)

でも十分に楽しませてもらえたし、ステージ上にミラーボールが隠されているのが見えて、もしや?と思ったが、その日は3回目のアンコールの「家路」で終了した。

 

 

さていよいよ最終日。

座席はステージに向かって左側のスタンド。

開演前から約半年近く待った観客のボルテージが段々と上がって来るのがわかる。

 

1曲目の「路地裏の少年」はもう鉄板というか、最初からファンもアクセル全開。

「アーアー」の部分は、省吾さんがファンの大合唱に任せる。

「モダンガール」は女性コーラスとの掛け合いのアレンジに変わっていて、本当にモダンになった感じ。

 

「バックシート・ラブ」は2005年のアリーナツアーなどでは単独で歌われていたが、今回は「DJお願い!」とセット。

やっぱりこの2曲は一連の流れじゃないとね。

 

「今夜こそ」「終わりなき疾走」でまた盛り上がる。

まだ前半戦なのに、おいおい皆んな大丈夫かと思ってしまう(笑)

 

「MIDNIGHT BLIE TRAIN」が歌われる前に、省吾さんと町支さんが売れない頃のコンサートの移動時の模様を寸劇で見せてくれる。

駅のホームでの出来事をコミカルで笑わせてくれるシーンもあるが、93年のツアーの最終日(熊本)で省吾さんが「この曲は町支と二人でギターを抱えて移動している頃、熊本から鹿児島へ夜行列車で移動している時に書いたんだ」と言ったのを覚えているので、寸劇の裏にある省吾さん達の苦労と葛藤を感じてしまい、見ているだけで涙が滲んでしまう。

列車が走っていくステージ映像が綺麗で、プロジェクションマッピングの演出も凄い。スクリーンのレンガブロックが壊れて行ったり自在だった。

省吾さんのコンサートでスクリーンが初めて登場したのは確か1988年の渚園だったと思うけど、当時は車に搭載されたままの電照スクリーンで映像が荒かったことを考えると凄い技術の進化だ。

もちろん曲のサビの部分は、会場の皆さんと一緒に気持ち良く声を出して歌わせてもらった。

 

「愛の世代の前に」で第1部が終了。

省吾さんの旅の映像が休憩時にスクリーンに流された後、第2部がスタート。

日替わりのバラードの「星の指輪」と「片想い」をじっくりと聴く。

 

新しいアルバムから「マグノリアの小径」や「光の糸」、「旅するソングライター」「きっと明日」など人気のある曲が続く。

「夜はこれから」をアルバムで聴いた時、最初は少し浮いている感じがしたが、ライブで演奏されるたびに段々と盛り上がり、今では重要なポジションを奪ったような感じを受ける。

野球で言うと、変化球が得意なちょっと毛色の違うピッチャーが、レギュラーどころかエースを奪っていくような感じかな(逆にわかりにくい?苦笑)

 

「ON THE ROAD」「J.BOY」というそれこそ正真正銘の省吾さんのコンサートのレギュラー陣でコンサートの本編は終了。

振り上げた拳が心地良い疲労感を与えてくれる。ペットボトルの水で喉を潤す。

 

アンコールは「アジアの風」三部作と「誓い」。

友を見送ったこの「誓い」を聴くといつも涙腺が緩んでしまう。

個人的な話で申し訳ないが、前年2015年の2月に高校時代のラグビー部の同級生が心筋梗塞で急逝した。51歳だった。曲の合間に彼の顔が浮かぶ。

 

2回目のアンコールの「光と影の季節」と「I am a father」で会場のボルテージは再び最高潮。

観客全員が両手を上げて「Oh Yeah!」「Oh-Oh!」と叫んでいた。

 

3回目のアンコール「家路」が終わると、省吾さんやバンドのメンバーはステージを降りる。

でも観客はここで終わらない。

今日はツアーラストだし、延期になったコンサートだ。

ステージの上にはミラーボールも隠れているし(笑)

 

アンコールの熱い手拍子に促され、再び省吾さんたちがステージに上がる。

省吾さんはアコースティックギターを抱えている。

メンバーがそれぞれの位置につこうとしている前に、いきなり省吾さんが歌い始める。

「海が見えたら起こしてあげるから・・・」

「サイドシートの影」が弾き語りで歌われるとは完全に予想外。

一緒に口ずさむが、気持ち良いを通り越して心臓の鼓動がドキドキだ。嬉しいサプライズ。

 

そしてミラーボールがするすると上から降りて来て「ラスト・ダンス」のイントロが始まる。

ここではもうこの曲しかない。

2015年のホールツアーも含めて、いよいよ本当の最後だ。

省吾さんの歌声に合わせて、観客も歌う。

私も1月の雪の鹿児島のことや、アリーナツアーの初日長野、最終の新幹線に駆け込んで帰路についた大阪城ホール、広島で予想外の「いつかもうすぐ」や「Midnight Flight」が聴けたことなど、様々な出来事や思い出が走馬灯のように頭をよぎる。

省吾さんの任せたという仕草を受けて「もう一度踊っておくれ このままで」と観客のみで大合唱。

万雷の拍手の中、4時間近くにわたって演奏されたコンサートは終了した。

 

満足を通り越して、最後は放心状態。

心地良い余韻を引きずりながら、春の夜風につつまれたマリンメッセ福岡を後にした。

 

2017年4月27日(木) マリンメッセ福岡 セットリスト

1. 路地裏の少年
2. この夜に乾杯!
3. モダンガール
4. ラストショー
5. AMERICA
6. EDGE OF THE KNIFE
7. DJお願い!
8. バックシート・ラブ
9. 今夜こそ
10. 終りなき疾走
11. MIDNIGHT BLIE TRAIN
12. 愛の世代の前に

13. 星の指輪
14. 片想い
15. マグノリアの小径
16. 光の糸
17. 旅するソングライター
18. きっと明日
19. 夜はこれから
20. ON THE ROAD
21. J.BOY

(アンコール)
22. アジアの風 青空 祈り part-1 風
23. アジアの風 青空 祈り part-2 青空
24. アジアの風 青空 祈り part-3 祈り
25. 誓い

26. こんな夜は I miss you.
27. 光と影の季節
28. I am a father

29. 家路

30. サイドシートの影
31. ラスト・ダンス

 

【最後に一言】

この記事を書いている2022年8月末現在、思い出すだけで本当に幸せな時間でした。

ホールとアリーナツアーが続けて行われ、何の制約もなく省吾さんと一緒に叫んで歌うことができていました。

早くコロナ禍が収束して、思い切り省吾さんのライブを楽しみたいですね。

まずは今月からの2022年のツアーが無事に開催されるのを祈りながら、今夜は福岡の美味しいものを肴に2015-2016年のライブDVDで楽しみます。

ユルイ

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-浜田省吾