2022年9月17日(土)の22:30からNHK-BSプレミアムで「浜田省吾ライブスペシャル~僕と彼女と週末に~」が再放送されるということで、今回は2011年のアリーナツアーについて振り返ってみたいと思います。
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2011年のツアーが発表される直前だったと思うが、2010年10月6日にアルバム「The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend」と、DVD「僕と彼女と週末に」が発売された。
なぜ改めてこのようなメッセージ色の強いアルバムがリリースされたのか、vol.3を制作するにあたり省吾さんが社会的テーマのある曲を今一度整理しておきたいのだろうな程度に思っていた。
そして、2011年3月11日。
未曾有の大災害となった東日本大震災が発生し、原子力発電所の問題がクローズアップされた。
予言されたようなタイミングでのアルバムとDVDの発売に背筋が寒くなった
2011年のアリーナツアーは土日に開催されたので(金曜日も数ヶ所あった)、何度か遠征して参加させていただいた。
名古屋ではファンクラブ抽選会でツアーポスターが当たり大切に持ち帰ったことや、震災の影響で延期された宮城に仙台の友人と参加したこと、また翌朝は仙台市内で金環日食を見たなど色々な思い出があるが、特に印象に残っているのは初日の静岡エコパアリーナ。
あの東日本大震災から1ヶ月ほどしか経っていないのにコンサートが本当に開催できるのか。
まだ各地で余震が続いていたし、電力の使用制限はライブの運営に影響を与えないのかと思っていた。
しかし、コンサートは開催するという決断がなされた。
確か使用電力は最低限で済ませる努力をするみたいなことも言われていたと思う。
2011年4月16日、コンサートツアー初日。
当時私は沖縄で仕事をしていたので、那覇空港から静岡へ向かった。
飛行機、新幹線、電車と乗り継いで愛野駅に到着。人の波に任せて坂道をテクテクと歩いていく。
15分ほどすると坂の上にエコパスタジアムとアリーナが見えてきた。
スタジアムは2002年のサッカーワールドカップでベルギー対ロシアを観に来たことを思い出す。
会場入口で入場引換チケットを係員に渡すと、QRコードを機械にあてて座席券を発行してくれる。
このシステムは2009年のファンクラブコンサートで初めて導入されて、今回のアリーナツアーが本格的な運用開始になるのかな。
オークションやダフ屋対策のために導入されたと思うが、チケットの発行枚数や入場者の管理、キャンセル、追加・当日販売などで運用するのには適したシステムなんだろうと思う。
座席は、ステージに向かってやや左寄りのアリーナ17列目だった。
地元のイベンター枠で確保したチケットだったが良い席をいただいた。
18:00過ぎに客電が落ちる。
いよいよコンサートが始まる。
J.BOYのリミックスバージョンのイントロが流れ出す。
「ウォーオ、オー」と観客も口ずさみながらスクリーンの映像を眺める。
もしかしたら1曲目はまさかのJ.BOY?と思っていると、静かにピアノのイントロが始まる。
会場の他の皆さんもそう思っていたのか、「ON THE ROAD」だとわかると大歓声が上がる。
人差し指を突き立てて大合唱をした後は、「この夜に乾杯!」「HELLO ROCK & ROLL CITY」が挨拶がわりに歌われる。
省吾さんが「コンサートに来てくれてありがとう」と最初のMC。
「今回のツアーは新曲のアルバムを出していないので、35周年記念のベストな選曲で演ろうと思っていたが、3月11日をもってコンサートの意味が全く変わってしまいました」
「こういう時だから、辛いことを忘れるのではなく、受け止め、向き合って行こう」という真摯なメッセージが胸を打つ。
ツアー初日はセットリストなどの情報がなく真っさらな状態でなので、何の曲が演奏されるのか、予想したり、驚いたりと新鮮な楽しみがある。
久しぶりに聴く「MY OLD 50'S GUITAR」
「Emptiness」などの英単語の歌詞が「虚しさ」などに変更されていた。
また「涙あふれて」「あれから二人」と、しばらく演奏されていなかった曲も歌われる。
懐かしくもあり、好きな曲なので嬉しい。
「君が人生の時…」がじっくりと歌われて第1部は終了。
この曲は2009年のファンクラブコンサートでも聴いたが、ON THE ROADの大会場で改めて聴くと雰囲気が違って感じる。
第2部は「A NEW STYLE WAR」からスタート。
省吾さんは「詩人の鐘」の間奏でジャケットを振り回し「オーーッ!」と叫ぶ。テンションが高い。
ヘビーなメッセージソングが続いた後は、「THEME OF FATHER’S SON」が演奏されて「RISING SUN」
アルバム 「The Best of Shogo Hamada vol.3」の流れだ。
スクリーンに映し出されたアニメ、成長と復興を掛け合わせたようなテーマに釘付けになる。
再びJ.BOYのリミックスバージョンが流れ出し、省吾さんが語りかける。
「アルバムJ.BOYを出した時はバブルで浮かれていて、Japan as No.1と幻想を見ていた。今の日本は戦後最大の危機を迎えている」
まさに自分の生き方を見せてみろと問いかけてくれるように「Show me your way, J.BOY!」
誰もが「J.BOY」を一緒に歌いながら、力の限り腕をを振り上げる。
(ちなみに私はサビの間は両腕で拳。J.BOYのフレーズの時だけ人差し指と親指でJの形を作っている)
このツアーではバイオリンなどのストリングスが参加しているが、「J.BOY」の間奏などにストリングス演奏が入ると曲が壮大に感じられるので好きだ。
そしてこのツアーのタイトルナンバーでもある「僕と彼女と週末に」
確か91年のアリーナツアーでも歌われたと思うが、ちょっとアレンジが変わっていて戸惑った思い出がある。
今回は歌詞やセリフを一言一句しっかりと歌ってくれて、改めて凄い歌だな、やはりこんなメッセージソングを作る省吾さんは凄いなと感じる。
そして88年の渚園の流れのように「愛の世代の前に」へ続いて第2部は終了。
何だか胸が詰まるというか、息が詰まるような、一瞬もステージから目が離せないコンサートだ。
アンコールの拍手が続く間に、今回もセンターステージが準備される。
センターステージでのアンコールは2001年のアリーナツアーからだが、2005年から省吾さん達が歩いて行くための専用の花道が作られるようになった。
2001年に省吾さんが客席の間を通ってセンターステージに行き来をする時、観客から手が届くため半ばトラブルみたいになったからだろう。
アンコールなのに第3部と言っていいくらいお馴染みのライブナンバーがたっぷりと披露される。
「I am a father」「ラストショー」で大盛り上がりの後は、「ラスト・ダンス」と「家路」。
贅沢すぎる。出し惜しみのないくらいのセットリストに大満足。
そして最後は「日はまた昇る」
アルバムで最初この曲を聴いた時は淡々としたメロディーの曲だなと思ったが、歌詞を噛みしめるたびに段々と自分の中に浸透して行くように感じる。
個人的な感想で恐縮だが、この曲を聴くとチューリップの夕陽を追いかけてや、Mr.Childrenの終わりなき旅を思い出してイメージがだぶってしまう。
「誰もが皆 自分の人生と闘っている」というフレーズで、辛いことがあっても自分だけじゃない、頑張れ!という勇気を与えられる。
まさに震災で傷ついたこの国と皆んなに対する省吾さんからの応援歌だと感じた。
コンサートの完成度、4時間近くのステージ、これでまだ初日なんだという驚き、そして満足感に満たされたまま、エコパからの坂道を下り帰路についた。
SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2011 "The Last Weekend"
2011年4月16日(土) 静岡エコパアリーナ
(セットリスト)
1. ON THE ROAD
2. この夜に乾杯!
3. HELLO ROCK & ROLL CITY
4. 恋は魔法さ
5. さよならゲーム
6. 悲しみは雪のように
7. MY OLD 50'S GUITAR
8. MONEY
9. 涙あふれて
10. 君に会うまでは
11. あれから二人
12. 君が人生の時…
13. A NEW STYLE WAR
14. 裸の王達
15. 詩人の鐘
16. THEME OF FATHER’S SON
17. RISING SUN
18. J.BOY
19. 僕と彼女と週末に
20. 愛の世代の前に
(アンコール)
21. 光と影の季節
22. 終りなき疾走
23. 君がいるところがMy sweet home
24. I am a father
25. ラストショー
26. ラスト・ダンス
27. 家路
28. 日はまた昇る
【最後に一言】
最近はコンサートに参加する時は、開催場所によってはチケットを獲るより先に宿の確保に努めるようにしています。
さぁいよいよ今週末から省吾さんのON THE ROAD 2022。
私は10月の熊本に参加予定ですが、もうすでにドキドキしています!